晴れ女
「陽菜ちゃん!!」



鞄を机に置き、窓の外をチラリと見た後席に着こうとした私の耳に教室中に響き渡る程の大きな声が届いた。





「髪めちゃくちゃ可愛い!」



笑顔で近付いてくる慎吾。


そしてその後ろには――教室のドアの前で私を凝視し、固まる朝陽の姿があった。




大丈夫。大丈夫。
昨日あれだけ泣いたのは、きっと今日を我慢する為。





「朝陽おはよう」





はっきりと。
ちゃんと目を合わせ、笑みを浮かべて口にした。
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