晴れ女


「ああ。可愛い」



そう言いながら自然と朝陽の手が伸びる。

頭をなでようとしたんだと思う。



もう少しで触れるであろう距離まで来た時。



――ビクッ……!!



「わりい……」



伸ばしていた手を引っ込めた。




そ、そうだよね。
もう”由紀”って言う彼女居るんだし。



「何謝ってんの!」


少しだけ表情が崩れそうになったけど、直ぐに持ち直し、笑顔を向けて肩を叩いた。
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