晴れ女
いつも朝陽の席に座ってた佳奈が前に座る。

それも今までとは違う。

別に朝陽の席に座ってもいいのに。


きっと佳奈なりに気を使ってるんだろう。



「ねえ、今日カラオケ行かない?」

「はあ……」

「いいでしょー」


あははと笑う私に眉を曲げ笑う。


も、もしかしてデートだった?
私めちゃくちゃ迷惑なんじゃ……


ハッとした顔を向けると、クスリと笑い、


「今日は大丈夫よ。カラオケ行こう」


「彼氏と約束あるならいいんだよ?」


「大丈夫だってば。ほら、早くしないと私唐揚げ食べるわよ」


「あわわわわわわわ」



佳奈から唐揚げを貰って外を見る。




――朝陽……


購買で買ったらしきパンを片手に慎吾と歩いてる。

だけど脇に女の子は居ない。
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