晴れ女
悲しい様な困った様な。

眉を下げて言う慎吾と目が合い、ハッとした。



少し考えたら分かる事。

私を想ってくれている慎吾は自分が辛くても私の事を気にして考えてくれる。


昨日朝陽を殴ったのも私が……



「そんな顔しないで?」



俯き、知らず知らず拳を握っていると投げ掛けられた優しい声に顔を上げる。



「朝陽を好きでもいいって言ったのは俺なんだから。ね?」



目を細めて笑う姿に胸が痛い。
こんな事言わせているのは私だと。


「今日は自分にむしゃくしゃしてサボりたくなっただけだし。……あれ?陽菜ちゃんカラオケは?」



おどけた表情で直ぐ様いつもの笑顔になる。
ごめんね慎吾。ごめん。



「行かないよ。慎吾の事気になったし」
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