晴れ女
あがってあがってと急かされ、皆に連れられリビングへと向かう私の後ろでは。


溜め息を吐き出し、荷物を玄関に置くとリビングとは違う方へと消えて行った。



何。どうしたの?



後ろ髪を引かれる思いで足を進めてリビングの大きな長ソファーに腰を下ろした。



「陽菜ちゃん、気にしなくていいよ」


「自分が構ってもらえなくて拗ねてんだよ」


「今日一緒にご飯食べようね!」



「あらあら。慎ちゃん荷物置きっぱなし」




一気に賑やかになったリビング。


お母さんが麦茶を出してくれて、頭を下げるとコップに口を付けた。



冷えた麦茶が喉を通り、火照った体を冷やしてくれる。
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