晴れ女
慎吾の部屋に入ると、モワッとした熱気が体を包む。


「あちー……涼しくなるまでちょっと待ってね」


「う、うん」




ソファーに腰を下ろす私に対し、ベットの上にエアコンのリモコンを投げると、ベット脇に座り、首にかけてあるタオルで頭をガシガシ拭き出した。



――ドキン……ドキン……



静まれ心臓!!

そもそも慎吾が服を着てないのが悪いんだ。

「慎吾」


「ん?」



名前を呼ぶとタオルと前髪の間から上目遣いで視線がぶつかる。
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