晴れ女
そんな二人を見ていると、以前まで真っ黒の感情しかなかった私には違った想いが沸き上がってきて。


「涼んで帰ろうよ!」


佳奈と慎吾に振り返り口にした時の表情は、間違いなく自然な笑顔。



「カラオケ?」


「ファミレス行こうぜ。腹減ったし」



下駄箱から出て歩き出し、私の方から慎吾の手を繋いだ。


直ぐに驚きの表情を見せるも、ギュッと握り返された慎吾の手に安心感を覚える。


嬉しそうに笑う慎吾の横顔が可愛くて。


新学期、明るい気持ちで迎える事が出来た。
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