晴れ女

涙が溢れる。

拭う事も出来ずに沢山の雫が頬から流れ落ちていく。




大好きだった腕。


この腕の中に居れるなら例えセフレでも構わなかった。


肌を重ねる事でしか自分の存在を確かめる事が出来ずに。



快楽に溺れ、甘い声で囁く朝陽が大好きで。


他の女の子が好きでも良かった。



抱き締めてくれるこの腕があったから。


”代わり”かもと思ったけどそれでも離れられない位に。





「朝陽……」






朝陽が私の全てだった。
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