晴れ女
駅までずっと全力疾走。

それでも慎吾の姿は見えない。



「ハア……ハア……ハア……ハア……」


行き交う人がチラリと私に視線を向けてくる。


そりゃあ目立つよね……


慎吾もう電車乗ったかな……


走りすぎて痛む胸を押さえつつ辺りを見渡すと……


オレンジ色の髪が一瞬見えた気がして――





「慎吾!!!!」





人目も気にせずお腹から思いっきり声を出した。
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