晴れ女
「しんっ……」


くるりと振り返った慎吾。


慎吾!!



俯き顔を見せない慎吾に駆け足で近寄ると……


――ガシッと手首を掴まれた途端……そのまま引き寄せられた私は慎吾の腕の中。




「陽菜ちゃん恥ずかしい……」


耳元で囁かれ、ふんっと鼻で笑った。

私の方が何倍も恥ずかしいし。
顔から火が出そうなくらい。
今絶対平熱じゃない自信あるし。



それでも。
慎吾を失う方が何倍も嫌だ。
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