晴れ女


――ガラガラガラ……


静かに扉を開けて中に入る。


「流石にこの部屋は暖房ないね」

コート来たままで正解だった。
陽菜はカーディガン羽織ってるけどタイツだし。


「陽菜タイツじゃん。気合い入れなよ」

「今日お腹壊してんの。毛糸のパンツまで履いてるよ。私。小鹿ちゃんの」

「……」

「ちょ……、黙らないで」


ふふふ、と二人で笑い合いながら、床に腰を下ろす。

人は来ないけど、念の為、廊下から見えない様にあ廊下側の壁に背を凭れて座った。
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