晴れ女
結局、昼休みまで慎吾はうるさく聞いてきたけど、ほぼ無視。

「佳奈ちゃん冷たい~」とか言ってるけどちっとも揺れない。


「やっと昼休みだ!」

「陽菜はこんなのの、何処に惚れたの……」


ボソリと呟くと、慎吾はゲラゲラと笑っていた。


陽菜は朝の空き教室に行こう、と言い出し、慎吾の手を引っ張ると、私もそれに続き、教室を出る。


空き教室は、やっぱり人は居なくて、しかも日がいい感じに入り、朝より暖かく感じた。


「で?なに、何!?俺授業殆ど聞いてないぐらい気になってたんだけど」


……あんたはいつも聞いてないじゃんって言葉は飲み込む事にする。

陽菜をチラリと見ると、同じ事を思ったのか呆れた表情を浮かべていた。
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