不安すぎて
自信がなくて……。
「やだー、そんな冗談ばっか!」
同僚であり、私の働く店の入るショッピングモール内の全ての男性店員が、こぞって可愛いという小山愛理の声が耳に届いた。
店の閉店時間も迫り、さらに平日ということもあって、店内に客はいない。
だから、別に知り合いと話をしていても、構わないけど……今回は別問題。私は、届いたばかりの新商品を棚に並べながら、ちらりと盗み見る。
「もおー、透くんってすぐからかうー」
愛理は“透くん”こと、真田透の腕に自分の腕を絡ませ、ぎゅうぎゅう自分の自慢の胸を押し付け、丸くて可愛い目で見つめている。
胃がむかむかしてきた。彼は、私の彼氏。付き合いはじめて、もうすぐ一年になる大切な人。
これだけ付き合っていても、私の心にはいつだって不安がある。
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