不安すぎて
黙々と商品であるクリスマスの置物を並べている間も、透の後をついて回る愛理の姿が目の端に入る。
集中していたことで落ち着きつつある心がまたささくれてきて、思わず勢いよく立ち上がったせいで、膝を棚にぶつけた。
せっかく並べた商品が倒れ、手前の置物が床へ落ちる。
「あっ!」
手を伸ばしたけど間に合わなくて、小さな音を立てて陶器で出来た雪だるまは割れてしまった。
なんだか惨めな気分になってきて、おまけに片付けようと伸ばした指先に、鋭い痛みを感じて手を引っ込めた。
「池内さん、大丈夫かい?」