不安すぎて


「あのさ、何か悩み事でもある? さっきから暗い顔してるよ」


 私は視線をそらした。


 透との交際は誰にも言ってない。


 同じ職場だし、お互いの気持ちがどうであろうと、なんだか恥ずかしいと感じてしまったから。


「よかったら、相談にのるよ。このあと、駅前の飲み屋でどう?」


「えっと……」


 ちょっと考えてしまう。一応、透という彼氏がいる訳だから、異性と二人きりというのはどうなんだろう?


 私は立ち上がり、透の様子を見ようとしたけど……見つからな。


 あれ? どこ行ったんだろ。


 よく見ると、愛理もいない。


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