イチゴミルク *
「いやあ、だって藤田くんと付き合ったとかさ、
ファンの人黙ってないよね…と思うわけよ」
「……………んあああっ!!」
わ、忘れてたーーーーー!!!
ファンの人の存在!怖さ!
しかもほぼうちのクラス!恐怖!
アアアアア…。
がっくりうなだれたとき、癒しの声が聞こえた。
「リコ何してるの」
「はあああ藤田くん…」
なぜか今日はネイビーのダッフルコート着用の藤田くんは、
いつもに増してかっこよかった。
するいずるいずるいずるい。
だけどあたしがかっこいいと思うことを
ファンの人が見逃すわけなんてない。
「きゃああっ、藤田くん!
なんで今日はコート着てきたの?すごく似合ってる!」
「ねー!ほんと似合うよ。今日寒いもんねえ~~」
藤田くんを見つけた瞬間、湧き出してくる…。
お前らは服屋の店員かっ!
って突っ込みたくなる程の『似合ってる』の嵐。
まだあたしだって言えてないのに…。