イチゴミルク *
「あっ、そっか。家まで来るの初めてだっけ」
「学校だと駅で別れちゃうからね」
駅から5分圏内の家は、すぐに着いてしまった。
もっと遠ければよかったなあ…。
「ここ……」
赤い屋根の、平凡な一軒家。
「近くていいね」
「遠い方がいいよ」
その方が、藤田くんともっと一緒にいれるもん。
「なんで?遠いと不便でしょ」
「もっと藤田くんと長くいられる…」
食い気味で訴えると、
藤田くんが驚いたような表情を見せてから、すぐに笑った。
「なんで今日こんな素直なの、リコは」