イチゴミルク *




……。



…もういいや。

近所の人に見られたって。




だって藤田くんがこんなに近くに感じられるんだもん。




抱きしめる力がふっと弱まったと思うと、
急に体が寒くなった。




「ごめん、引きとめすぎた」




腕が体から離れていくと、急にまた寂しさが湧き上がってくる。



これじゃあ、さっきと矛盾してる…。





「俺だって、リコと同じくらい寂しいって伝えたかっただけ」





優しい声に、どんどん離れたくなくなる。

明日も会えるってわかってるのにな。





「早く家入って」

「うん…」




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