イチゴミルク *




昇降口を出て、校舎を出る。




グラウンドの前に出ると、すでに練習を開始している野球部の姿。




元気のいい掛け声が耳に気持ちいい。





「いやあ、2人で図書委員なんて、ついてないよね!」





グラウンドの周りを走る野球部員をぼーっと目で追いながら声に出す。





「…誰?」

「へ?」

「だから、さっきの男子、誰」





道の真ん中で止まる藤田くんの足と共に、
あたしの足も止まる。




「さっきの男子?」





…さっきの。

さっきのって……あぁ!萩原くんのこと?




「萩原くん?男子の図書委員になったみたいで、よろしくって」




< 222 / 228 >

この作品をシェア

pagetop