イチゴミルク *




「リコ、いいの?」

「………だってあたしが言ったって、藤田くんは保健室なんて行かないよ…」




あたしが言っても、きっとあの保健委員の子と同じようにされるだけ。



「…でも休み時間にに行こうって言ってみるよ」

「うん、そうだね」



それから5時間目があっけなく始まった。


チラッと見た藤田くんは、机に顔を突っ伏していた。



休み時間、あたしが行こうって言ったら藤田くんは来てくれるのだろうか。



でも、手当しなきゃだめだもん。

無理矢理でも連れてかなきゃ。



放っておけば治るとか言ってたけど
口の中が切れるなんて絶対生活しにくいもん。

引っ張ってでも行く!!!



『アクションは自分で起こすもの』



友里の言葉を思い出して、

あたしは頭の中で藤田くんを保健室に連れて行くシュミレーションをした。



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