イチゴミルク *





*******




5時間目が終わり、あたしは静かに藤田くんの席に近づいた。



実際、教室で藤田くんに話しかけるのは初めてだ。



ケンカが終わったあとも、藤田くんのファンの人たちが保健室に誘っていたけど…。



すぐに机に突っ伏して、聞く耳を持ってなかった。



あたしも……そうなるかなあ。

いやいや、弱気になるなあたし…!
アクションは自分で起こすものだよ!



「藤田くん」



まだ突っ伏したままの藤田くんの肩を、トントンと優しくたたく。



「…藤田くん…」



だめだよ。

全然起きない…。


起きてるかもしれないけど、わざと無視してる可能性だってある。



友里の方を見ると、『肩揺らして!』と口パクとジェスチャーがとんできた。



えええ…。

そんなことしたら藤田くん怒るんじゃ…。



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