イチゴミルク *




なんだか寂しい。

不謹慎なの、わかってるけど。




ドアに向かって歩き出す。

そのとき。




「リコ」




先生じゃない、藤田くんの声。

名前を呼ばれて反射的に振り向くと、



「…ありがとな」



小さな声でそう言われて、
寂しかった気持ちが一気に晴れた。


ずるい。
するい。

また好きになっちゃう。



「どーいたしまして!!」



嬉しくって、満面の笑みで微笑むと



「さっさと戻れアホ面」



と罵声が飛んできた。


それでも、どんな言葉だって嬉しい!




やっぱりあたしは藤田くんが好きだよ。

大好きだよ。



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