イチゴミルク *
「…リコ早く扉閉めて。冷気入ってくる」
「えっ?あ、ハイ!」
あたしは見えないのに。
どうして、あたしだってわかったの?
扉を閉めて、いつも以上にドキドキしながら藤田くんの元へ行く。
いつも通り、壁にもたれて椅子に座り
近くの机にはイチゴミルクがあった。
「あ、あの、ケガの調子は…」
「別に。実際放っておけば治るような傷だったし」
今日はマスクをしている藤田くんは、
片耳だけマスクを外して、青紫色の頬を見せてくれた。
マスクを取る指でさえ、なんかすごくかっこいい。
まさか、マスクで頬の色を隠してるのかな。
かっ……可愛すぎじゃん……?