イチゴミルク *
あたしをじっと見て、
小さくため息をついた。
『言わなきゃわかんないか』って
呆れられたような、そんな顔。
…ったく失礼だ!
「……イチゴミルク」
小さく開いた口から出てきた、か細い言葉。
イチゴミルクの…口止め?
「…とにかく…捨てといて」
それだけ言い捨てて、資料室から藤田くんの気配が消えた。
捨てといてって…。
そんなの、この資料室にあるゴミ箱に捨てときゃいいでしょ?!
なんでそんなのあたしに…っ。
ムカついて、ゴミ箱がありそうな隅の方へ行く。