なつとふゆ
「こんにちは」
私が固まっているとその人は私の方に向かって歩いてきた。
近づいてくれば来るほどその人に目線は奪われる。
だって初恋のあの人にそっくりなんだもん。
かっこよくてだけど笑顔は可愛くて…
「あ、あの!」
考えるより先に行動に移ってしまうほど私はどうかしている。
「ん?」
笑顔で首をかしげるその人はなぜか矢代くんに似ていて。
「もしかしてなんですけど…10年前もここに住んでました…か…?」
顔をみることも出来ず下を向きながら一生懸命に声を出した。