なつとふゆ
「って矢代くん隣なの!?」
「らしいな」
クラスの女子がこれ知ったらめんどくさそうだなぁ…
「親があまり帰ってこなくてだいたいなつと二人だからなんかあったら詩織ちゃんよろしくね」
「いえ、私も一人暮らしなのでこちらこそよろしくお願いします」
深々とお辞儀をすると私たちを横目に矢代くんは無視して家に入っていった。
「なつあんなんだけどかまってあげてね」
きっと私なんかがかまわなくても女の子がたくさん話しかけることをこの人は知らないんだろうな。
と思いながらもはいっと頷いてしまうしまう私。
「俺のことは冬斗って呼んでくれていいから」
「うーん、じゃあ冬斗さんで」
それを聞くと少し笑いながら冬斗さんは私の横を通ってエレベーター方に歩いていった。