なつとふゆ
私がびっくりして固まっていると矢代くんは頭をぐちゃぐちゃにかきながら
「あー!もう!なんでもねーよ!」
と言ってコップを机に置いて無理やり私を座らせた。
「ありがとう、とりあえず肉じゃがここに置いておくね」
それから沈黙…
これは私がなんか話した方がいいのかな
というかもう帰っていいのかな
この気まずさどうにかしないと!
よし!!!
そう思って声を出そうとしたとき
私よりも先に矢代くんが声を出した。
「お前さ、運命とかって信じる?」
矢代くんはまっすぐと私の目を捉えて言った。
そんな目に私も目線をそらせない。
「私は信じるよ…でも諦めも肝心だけどね」
少し苦笑いしながらそう言うと矢代くんはなぜか複雑な表情で目線を自分のコップに戻した。