なつとふゆ
「詩織ちゃんのこと実は前から知ってたりして…」
そう私の耳元で呟いてから冬斗さんはゆっくり離れた。
「えっ…」
もうパニックすぎてなにがなんだか分からない状態の私。
「オーダーの仕方教えてもらってもいい?」
難しい顔をする私をよそにさっきとったオーダー用紙をパタパタ振りながら私に言った。
「…はっはい…」
なんだか納得のいかないまま冬斗さんのペースに乗せられていく。
まだバイトも始まったばかりだし深く考えないでいっか…
そう思ってその事を聞かずに冬斗さんに仕事を教えていった。