なつとふゆ
教えながら仕事をしているうちにあっという間に8時になった。
「もう2人ともあっていいわよ」
キッチンにいる理恵さんが私たちに声をかけた。
私は荷物の置いてある休憩室に戻ってエプロンをとった。
帰ろうとしていると後から冬斗さんが入ってきて笑顔で私に手をふった。
「冬斗さん仕事覚えるの早いですね」
あれから教えたらすぐに覚えてメニューも大体言えるようになった。
さすが大学生だよ…
なんて思っていると
「詩織ちゃんのおかげだよ」
なんて笑顔で言ってくれる冬斗さんにますます惚れてしまいそうになる。
「一緒に帰ろっか」
冬斗さんもエプロンをとると私の方を向いて言った。