なつとふゆ



全ての授業をぼーっと受けているとすぐに放課後はきた。



週2でカフェのバイトをしていてそれ以外の日はバスケ部のマネージャーをしている。



「じゃあ部活いくね、ばいばい」

「はーいばいばーい」


前の席にいる杏里にそう言って私は教室を出た。



体育館に向かうと部活はまだ始まっていなくて春菜が一人でシュート練習をしていた。


「はーるなー」


私は体育館のドアから春菜がいるゴール近くまで小走りで向かった。


「また自主練?」

「試合に出させてもらってる限りは頑張んないといけないしな」


そう言って靴紐を結び直してシュートをした。




「そう言えば矢代バスケ部入るらしいよ」



続けてそう言うと春菜は真剣な顔をして私を見た。



あまりにも真剣に私を見ている春菜はどこか苦しそうで寂しそうだった。


「どうしたの?」



私がそう聞くと下に視線をずらし


「やっぱなんでもない」


そう言ってまたシュート練習を始めた。



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