なつとふゆ



引っ張られながら私の家の前までくると夏希は手を繋いだまま止まった。


これは…
帰れない…やつですか…?


一向に手を離す気配のしない夏希にばいばいしようとしたとき勢いよくさらに引っ張られた。





「え!ちょっと!」




あせる私をよそに矢代と書いてある家の前までくると普通に私も一緒に連れていかれた。




「はい、上がって」



「いやいやいやいや!意味わかんない!」



いきなり連れてこられてはい、上がってに対応できたら私はアドリブの王女になれるよ!



なんて頭の中で自分に突っ込みを入れていたのもつかの間のことでさらに引っ張られ、家の中に靴を脱いで上がるしかない私。
















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