恋の捜査をはじめましょう
柏木の勤務態度は…非常に真面目だった。

もっと自己中的に行動するタイプかと思いきや…。組織をよく解ってるヤツで。

周囲のとの連携も…積極的に図り、笑って談笑する姿も…よく、目撃した。

特に相原係長とは係長同士、互いの苦労がわかるからか、はたまた…気が合うからか…、二人きりで真面目に語らっているかと思えば、急にじゃれ合ったり。

因みに…

昼は毎日、食堂を利用。

時子さんからの評判も…上々だ。




ただ、

唯一…腑に落ちないことがある。

あの日以来、天丼を食べてるのを見たことがないから…?

いや、そんなことではありません。


周囲との交流を深めて行っている一方で……

……そう、なぜか…私に対しては。

仕事に必要な、最低限度のやり取りしか…してこないから。




私たちが同期で、旧知の仲だって公言していないから?


わざわざ…近づいてきて。
探り入れるような行動を…とったくせに。


昔よりも…ずっと遠くて。
ますます理解し難くて。

どう接するのが正解なのかが…分からなかった。




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