恋の捜査をはじめましょう
男は…ニッカポッカからライターを取り出して。

カキン…と、不気味に音を…鳴らす。


男たちは、その場に立ち尽くし…

店にいた客は…一斉に騒ぎだす。

次の瞬間には、店を出ようと…入り口付近に押し掛け始めた。


「おい、鮎川…、お前もここから出ろ!」

状況を判断した柏木が…、私に向かって、叫ぶ。



「元はと言えば…、アンタが悪いんじゃないのお?」

男が、気持ち悪い声で…私に…畳み掛ける。


と、同時に…

私の中で、何かが…キレる音がした。


今日は…初体験ばかりだ。

柏木はおかしいし、

人の行為に虫酸が走ったのも…そう。

ついでに、人生この方…

堪忍袋の緒が切れるのも、初めてだ……!




「そうだね、じゃあ…、自分で自分の始末くらい…つけるよ。ねえ、柏木?」


お冷やの入ったコップを…二つ手に取って。

カウンターに飛び乗ると…


サカキの首筋に、それから、ライターへと…同時にバシャリと…ぶっかけた。


じゅわっと…ライターが音を立てて。
小さな炎の灯が…姿を消す。

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