恋の捜査をはじめましょう
甘~い時間は……
本当に、ここまでだった。
柏木は…逃走を図ろうとするサカキの首根っこを…いとも簡単に捕まえて。
ニヤリ…、と、笑った。
「榊 博人。アンタを威力業務妨害及び、公務執行妨害の疑いで…現行犯逮捕する。」
「…………?!」
何…?
ちょっと待って、警察事にしないんじゃあ…なかったの?
いや、それよりも…。
何で、彼のフルネームを知っている?
サカキの仲間たちも、店主も……
唖然として、その場に立ち尽くす。
無論…私も。
一体何が起きてるのかも、わからないまま…
ぼんやりと、その様子を…見守っていた。
おかしなことに、その…数秒後には。
他の警察官が…押し寄せて来て。
その中の…一人、迫田くんが…にこにこと笑いながら。サカキに、逮捕状を…突き付けた。
「現行犯でなくても、通常逮捕されるのは…時間の問題だったんですよ。」
なんと、
逮捕状を…請求していた?
「柏木係長。まさか、現行犯で捕まえることになるとは思いませんでしたね。折角の逮捕状も、出番…ナシですね。」
「俺も、こうなるとは思ってなかった。」
二人は揃って、私の顔を…じいっと見つめる。
「あの、………え?」
「「グッジョブ!」」
これは、つまり……
どういうこと?
榊 博人に手錠をかけたのは…、柏木であった。
「これで…、借りは返して貰ったよ。アンタの活躍で…俺が、輪をかけた。あの時の…逆だ。」
「……説明して下さい。何が 何だか……。」
パトカーに乗せられた榊は。すっかりおとなしくなって…、既に魂が…抜けてきっているようだった。
その隣りに座った迫田くんは、小さく一礼した後に…
「お二人、仲いいッスね。邪魔してすみません。」などと、おどけた口調でそう言い残して。バタリ、とドアを閉めた。
「国道のラーメン屋の火災で、鑑の捜査に当たった際に…榊博人の名が…挙がったんだよ。」
柏木はパトカーを見送って、それから…ことの詳細を…話し始めた。
「火事に関与している可能性も視野に入れて…、行方を追ってた。本店にもたまに現れては…脅しをかける迷惑行為に至っていたそうだ。目撃者も多数、実害あり。店主が困ってて…、どうにかならないかって相談を受けていたんだ。まあ…、所在も不明だったし、関与のあるこの店を訪れる可能性はあっても、捜査本部の仕事中心じゃあ、どうにも行動に移せなかったってのが本音。傷害罪の前科もちで…職も転々としてたから…あの同僚たちももて余していただろうな…、どう扱ったらいいのか、とか……。で、まさかの…アンタとのデートが、ここだろ?しかも、見事な…バッティング。急いで署に連絡して、捜査員数名…緊急配備したって訳。」
「ああ、そう……。何で最初から言ってくれないのよ。」
話してくれたら。
私だって少しくらい…、協力できたかもしれないのに。
「……怒ってる?」
「別に…、怒っちゃあいないけど。でも、何だろう…、その、色々…」
「うん。本当は…、アンタと二人で。たまには仕事から離れて…話したかったんだけど。」
「……………。」
「話していたら、鮎川もっと…無理するだろうし、それに。」
「……それに?」
「鮎川のありのままの姿が見れたってのも…収穫かな。」
「………あの、」
「ん?」
「あれは…アンタの方は全部、演技…?」
本当に、ここまでだった。
柏木は…逃走を図ろうとするサカキの首根っこを…いとも簡単に捕まえて。
ニヤリ…、と、笑った。
「榊 博人。アンタを威力業務妨害及び、公務執行妨害の疑いで…現行犯逮捕する。」
「…………?!」
何…?
ちょっと待って、警察事にしないんじゃあ…なかったの?
いや、それよりも…。
何で、彼のフルネームを知っている?
サカキの仲間たちも、店主も……
唖然として、その場に立ち尽くす。
無論…私も。
一体何が起きてるのかも、わからないまま…
ぼんやりと、その様子を…見守っていた。
おかしなことに、その…数秒後には。
他の警察官が…押し寄せて来て。
その中の…一人、迫田くんが…にこにこと笑いながら。サカキに、逮捕状を…突き付けた。
「現行犯でなくても、通常逮捕されるのは…時間の問題だったんですよ。」
なんと、
逮捕状を…請求していた?
「柏木係長。まさか、現行犯で捕まえることになるとは思いませんでしたね。折角の逮捕状も、出番…ナシですね。」
「俺も、こうなるとは思ってなかった。」
二人は揃って、私の顔を…じいっと見つめる。
「あの、………え?」
「「グッジョブ!」」
これは、つまり……
どういうこと?
榊 博人に手錠をかけたのは…、柏木であった。
「これで…、借りは返して貰ったよ。アンタの活躍で…俺が、輪をかけた。あの時の…逆だ。」
「……説明して下さい。何が 何だか……。」
パトカーに乗せられた榊は。すっかりおとなしくなって…、既に魂が…抜けてきっているようだった。
その隣りに座った迫田くんは、小さく一礼した後に…
「お二人、仲いいッスね。邪魔してすみません。」などと、おどけた口調でそう言い残して。バタリ、とドアを閉めた。
「国道のラーメン屋の火災で、鑑の捜査に当たった際に…榊博人の名が…挙がったんだよ。」
柏木はパトカーを見送って、それから…ことの詳細を…話し始めた。
「火事に関与している可能性も視野に入れて…、行方を追ってた。本店にもたまに現れては…脅しをかける迷惑行為に至っていたそうだ。目撃者も多数、実害あり。店主が困ってて…、どうにかならないかって相談を受けていたんだ。まあ…、所在も不明だったし、関与のあるこの店を訪れる可能性はあっても、捜査本部の仕事中心じゃあ、どうにも行動に移せなかったってのが本音。傷害罪の前科もちで…職も転々としてたから…あの同僚たちももて余していただろうな…、どう扱ったらいいのか、とか……。で、まさかの…アンタとのデートが、ここだろ?しかも、見事な…バッティング。急いで署に連絡して、捜査員数名…緊急配備したって訳。」
「ああ、そう……。何で最初から言ってくれないのよ。」
話してくれたら。
私だって少しくらい…、協力できたかもしれないのに。
「……怒ってる?」
「別に…、怒っちゃあいないけど。でも、何だろう…、その、色々…」
「うん。本当は…、アンタと二人で。たまには仕事から離れて…話したかったんだけど。」
「……………。」
「話していたら、鮎川もっと…無理するだろうし、それに。」
「……それに?」
「鮎川のありのままの姿が見れたってのも…収穫かな。」
「………あの、」
「ん?」
「あれは…アンタの方は全部、演技…?」