オフィスの灯りを消して
パソコンの電源を落とすと帰り支度を始める。

堅物上司に挨拶をして帰ろうと席を立つと待っていたかのように今野が身支度を終え近寄って来た。



『お、お疲れさまです。』

少し驚きながらも挨拶の言葉を発すると、今野はドンドン雪華の方に近づいてくる…。


何だか圧倒されて雪華は後ろに後ずさりする。



一歩、二歩…構わず無言で近づいてくる今野に雪華は更に後ずさる。





トン

とうとう壁際に背中が当たってしまった。



今野も雪華の目の前で立ち止まる。


『……。』


無言の時間が流れる…。




この後はもしかして所謂『壁ドン』になるのだろうか?


雪華は予期せぬ展開に胸が高鳴っていく。
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