絶対零度の鍵
この白い天井は…


兄貴のマンションの寝室だ。


なーんだ。


僕ってば、また予備校に近いからって、兄貴ん家に泊まっちゃったんだな。


カーテンの隙間から射し込む光が眩しいけれど、部屋は冷房がかかっていて心地よい温度だ。


あれ。なんだか身体が痛いな。


なんだっけなぁ。


ま、どうでもいいか。


もぞもぞと兄貴のクイーンサイズのベットで寝返りを打つと、僕はもう少しだけ、このまどろみを楽しもうとした。


のだ、が。


寝返りを打った先に、二つの青い目が僕を凝視しているのをとらえた瞬間、僕の瞼はぱっちりと開いた。


そりゃもうバチッという効果音をつけたって言い過ぎではないくらい。
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