絶対零度の鍵
「動かないでよ。…じゃ、いくわね」


そう言うとさっきやったトンボのぐるぐるの反対周りみたいな仕草をした。


その途端。


「おわぁ!!!!」


バッターーーン!ズシャッ!!


一気に騒がしい夏の空気と叫び声が耳に入って来た。


「?」


僕は右京に言われたとおりの姿勢でいただけなので、何が起こったのかわからない。



「くっ…望月ぃ…」


苦しそうな声の主は小松だと言うことに気づき、僕はすぐさま振り返る。


見ると地面に叩き付けられた小松が、鼻血ぶーしている。


ちなみに言わせてもらうならば目が血走ってる。


超怖い。


「すごーい、クミ、すごーい」


完全棒読みな右京が拍手してくれている。

が、ちっとも嬉しくない。
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