絶対零度の鍵
「左京に借りるか…いや、半分持たせよう…」
自分の弟の給料も返済プランに入れ始めた所で、今さっき後にしたばかりの町が見えてきた。
「この、ろくでもない町め」
思わず眉間に皺を寄せて睨みつける。
決して町は、1マイクロたりとも悪くないのだが、悪口のひとつでも言わないと気が済まないらしい。
「鍵師ー!!!」
地面に降り立つと同時に、鍵屋の外から呼んだ。
が。
店は先程の様に、扉を開いてはいなかった。
「…あれ?」