絶対零度の鍵

この星を守るために、別の星の誰かが失われてしまう。


白銀の髪をした、天真爛漫で、力が強くて、自分勝手で、


誰よりも気高く何よりも美しい、


この少女が、居なくなってしまう。



―『無くなってしまったらもったいない世界だね』



この星に住む者ではないのに、


この星に命を奪われそうだというのに、


この星が無くなる事を、


多分地球上の誰よりも、残念に思ってくれたこの少女に。



どんなに格好悪くても。

どんなに似合わなくても。

力が君より全然なくても。


自分は自分なりに、君だけの為に、今だけ。


やっぱりヒーローになりたい。


君の力に、なりたい。
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