絶対零度の鍵
作戦会議
「ただいまー」


夏真っ盛り。もうすぐ8月になるという夜のこと。


僕は予備校から帰って来て、そのまま自分の部屋に向かう。


トントンと音を立てて階段を上っていると、下からおかんの声が聞こえる。



「あ、今ご飯あげといたから。卓も今温めるから、着替えたら降りて来なさいよー」



「あーい」



適当に返事して、僕は自分の部屋のドアを開ける。



「あ、おかえりー」



まず視界に入ってきたのは、右京が僕のゲームをしている所。


次に見えるのは―



「うーむ。タクミの母上は凄腕の料理人じゃ」



金色の猫が口の周りに鰹節とご飯を付けながら、もごもごしている光景だった。
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