絶対零度の鍵
鍵は様々な形をしていて、大体が円い。


ビー玉を大きくしたようなものが多く、中に必ず何かが入っている。


例えるなら雪の結晶みたいなものが。


その中に【適応の鍵】があるのだという。


元々暑さには弱くない鍵師は、気温には慣れたものの、暮らしていく為にはここの姿と言葉を手に入れなければならない。


そこでその【適応の鍵】を使う。


すると、たちまち現地に溶け込める、というワケで、鍵師は猫の姿になったらしい。



『えー、あたしは?あたしそんなのやってないよー!なのに羽もないし』



不思議がる右京に、鍵師がこともなげに言う。


『右京は灼熱の国にも出向いたのじゃろう?王がどこの空気にも対応できるよう術をかけてくれなかったかの?』



『あ、そうだった。確かに!』



右京も納得。


僕だけ、ついていけないけど、毎度の事なのでもう流す。
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