絶対零度の鍵
でも、犯人っていうのはさ、きっと。


「こっちでもよく言うんだけどさ、犯人は現場に戻ってくるって。多分、温度師ももしかしたら地球にやってきてるんじゃない?そいつを捕まえれば、鍵も返ってくるんじゃない?」



根拠はない。


だけど、可能性としてはなくないんじゃないか?



「うーむ…今の温度師の性格は偏屈で冷徹で良い所がひとつもない奴じゃ。どういう行動に出るか、わからんのぅ。神出鬼没というに相応しい」


鍵師が唸る。


「王からも、温度師を捕まえることができれば、という話は出ている。でも実際問題難しいんだよなぁ。。影の支配者といったっておかしくない。獣も操られていただけだから、温度師の情報なんてこれっぽっちも引き出せなかった。」



左京も考え込んでいる。



「問題はあいつの狙いよね。それによっては、こちら側に接触してくる可能性もなくはない。」



右京が呟く。


「こんなに力が集まって一箇所にいるんだもの。あいつはとっくに気づいているはずよ。」

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