絶対零度の鍵
「力を使うことは、ここに居ますよって言っているようなもんだから…だけど、アイツ、来るかしら」


自信なさげに右京は俯く。


「温度師がこっちの世界を巻き込めるような亡(ほろ)びの星を探し出して利用したのにはきっと意味がある筈だ。空間が混じり、空間の世界の制御も効かなくなるどころか、滅びるわけだろ。そんな状況でしか出来ない何かがあるに違いない」


左京が難しい顔をしながら言う。



「…確かに、ある、な。いやでもまさか…」



鍵師が信じられないというように呟いた。


全員の視線が一気に注がれる。



「「何?」」


おぉ、双子のハモり。


「ううむ」


しかし、鍵師は言い淀む。


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