絶対零度の鍵
「うーん…まぁ、なんて言うか、色々だよ。」
蓮貴は言葉を濁す。
「色々って?」
追求を止めない翠に、蓮貴は顔をしかめる。
「言葉で表わすのは難しいんだよ。」
「…ふーん」
納得してなさそうな返事だったが、翠が黙ったのでほっと胸を撫で下ろす。
「…じゃぁ、やっちゃいけない決まりごとってどんなのがあるの?」
少しの沈黙の後に、翠はまたとんでもない質問を投げかけてきた。
「…それも…色々だよ。」
蓮貴は段々不機嫌になりながら、先程と同じような返答をする。
「それじゃ、わかんないわよ。例えば?」
翠はぐいぐいと訊ねてくる。
「翠は何が知りたいの?」
とうとう蓮貴は我慢できなくなって、少し声を荒げてしまった。