絶対零度の鍵

見ると、壁に扇子が突き刺さっている。



それを確認すると、2人してゆっくりと扇子の出所を辿った。




「「…こわっ」」




無愛想な顔を、益々無愛想にして、余り王座から立ち上がることのない少女が、立ち上がってこちらを見つめている。



それは身の毛のよだつような恐ろしさだ。




「…話を…聴く気が、あるのか?」




ぞわっと逆立つ真っ白な髪の毛が、王の怒りのバロメーターである。



同時に、瞳は燃え上がる。



―うちの王は、短気でいけない




行儀良く気をつけをしながら、仲の悪い双子の従者は同じ事を思った。
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