絶対零度の鍵



「書庫で火事が…起きたんでさぁ…。何でも書士が色々手広く悪さしていたらしく、見つかりそうになって自分で火を放ったそうで…」




蓮貴の脳裏に、任命式の途中に慌てて入ってきた男が浮かんだ。


そういえば、そんなことを言っていたな。


だが、しかし…それが、あの花になぜ繋がる?…もしかして…。



自分の中でこれ以上考えるな、これ以上聞くなと警告が発せられている。



でも。



あの花がなくなると言う事は。



だって。




あの花には…




「運悪く女子が一人、道連れになったんですわ」




あの、




花、




には。
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