絶対零度の鍵
「お前達は、楽観的なのが良い所でもあり、悪い所でもあるな」
はぁー、と大きく溜め息を吐き、王は憂いを帯びた表情をする。
お互い一括りにされたことがどうにも許せなかったが、これ以上やり合うと本気で罰を受けることになりそうだったので我慢した。
「右京の報告にもあったように、雨が降ったことはわかるな?」
双子は頷く。
タイミングが一緒で、イラっとするがそれぞれ自分を制する。
「では、この国で以前に雨が降ったのはいつか、思い出せるか?」
「それは―…」
言い淀む2人に王は頷く。
「支配する世界のひとつが、滅びる直前だ。」