絶対零度の鍵


「…相手の出方を待つしかない」



鍵師がそう言うと、左京が憮然とした表情をする。


鳩だから実際よくわかんないけど、多分そう。



「そんなんじゃ、いつまで経っても…」



右京が呟くが、その続きを誰も言わない。



「地球が先に滅びるか、滅ぼされるか、か。」



少し長めの沈黙が続いた後、結局鍵師が最悪の結末を述べた。



「その前に、向こうの者がこっちに来ちゃったり、こっちの人間が向こうに行っちゃったり、大混乱が起きるぜ」



左京が肩を落としながら言った。
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