絶対零度の鍵

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荷物を鞄に詰め込む右京を、床に頬杖を付きつつ見ていた左京が、突然ごろりと仰向けになった。




「なぁ、鍵師って、どこに行ったわけ?」




「知らないから捜すんでしょ」




ぶすーっとした表情のまま、右京が答える。



先程王から命令が出された。




第一に一刻も早く鍵師を捜し出すこと。




第二に絶対零度の鍵をもう一度手に入れること。




この2点である。



地球の滅びる原因は、ここの所の全体熱の上昇にあるというのが、王の見立てだ。



右京たちだって、それには同意する。



聞く所によれば、太陽光線の有害物から守る膜というのも、破壊されているという。



水に浮かぶ氷も溶け出しているとか。
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