絶対零度の鍵

ふざけてばかりの右京が、真剣に僕を慰めてくれようとするもんだから、ちょっと可笑しくなって、そのおかげで僕は落ち着きを取り戻す。



要はまだ何も確実なことはわかっていない、ということに気づいたからだ。



憶測でしかない、僕等の予想。


大体は多分合っているだろうけれど。


真実はきっと最後。


もっと頑張った後に、わかるはずだ。




「…とりあえず、傷の手当をせねば」




「王に報告した方がいいかな?」




猫と鳩が同時に腰を上げた。




「…傷の手当が先じゃ」



「……いや、俺の王の報告の方が大事だと思う」



「いや、貧弱なおぬしらの体はもたないのじゃ。傷の手当が先じゃ」



「状況を王に伝えてからでも遅くはねーだろ」



猫VS鳩のどうでもいい喧嘩が勃発。
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